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埼玉県は、火災保険金の受取りを前提とした「雨どい修理」を訪問販売により行う2事業者に対し、特定商取引法に基づく行政処分(業務停止命令6か月)を行いました。
これらの事業者は、「無料雨どい交換」のチラシを地域に配布し、これを見て依頼をした消費者宅を訪問。実際には無料ではなく、消費者が契約する火災保険の保険金を工事代金に充てる「有料の雨どい修理」にもかかわらず、そのことを勧誘に先立って告げていませんでした。
また、見積書を提示するだけで、契約書には金額と工事内容を記載せず、後日、消費者から聞き出した保険金受領額に合わせ、金額と工事内容を勝手に決め、消費者には口頭でのみ伝えていました。
さらに、消費者がクーリング・オフ(契約解除)を申し出ても応じないこともありました。
行政処分の概要
1 被処分事業者
(1)名称 一般社団法人住宅災害支援協会
代表者 赤石 早和紀
所在地 東京都町田市成瀬が丘二丁目22番地8さがみやビル202
設立 平成27年12月25日
(2)名称 住まい安心サービス合同会社
代表者 赤石 早和紀
所在地 川越市脇田町27番地8アルファコート川越脇田1.902号室
設立 平成27年3月2日
2 処分の内容
業務停止命令 6か月(平成29年3月18日から平成29年9月17日まで)
3 違反行為の内容
(1) 勧誘目的不明示(特定商取引法第3条)
消費者宅に「無料雨どい交換」などと書かれたチラシをポスティングし、そのチラシを見た消費者が電話で依頼した際に、「雨どいを見させてください。」などと告げるだけで、火災保険金を使った有料の雨どい修理について勧誘する目的であることを明らかにしていませんでした。
(2) 不備書面交付(特定商取引法第5条第1項)
火災保険を使った雨どい修理について契約した際に、金額、事業者の電話番号、契約担当者の氏名の記載のない書面を交付していました。
(3) 迷惑解除妨害(特定商取引法第7条第4号に基づく同法施行規則第7条第1号)
クーリング・オフ(契約解除)を申し出た消費者に対し、クーリング・オフに 応じないと告げるなど、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方でクーリング・オ フを妨げていました。また、消費者がクーリング・オフの通知をした旨を連絡した消費生活センターの職員に対しても、クーリング・オフに応じないと答えていました。